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2020年3月号『新型コロナウイルスと漢方薬』

中成薬の「双黄連口服液」(※口服液=シロップ剤)が新型コロナウイルス感染症に効果があるという情報から、中国では街中の「双黄連口服液」が売り切れました。

「双黄連口服液」は金銀花、黄芩、連翹の三種類の生薬で構成されており、中国医学的には疏風解表、清熱解毒の効能効果があり、感冒初期症状の発熱、咳嗽、咽痛に以前からよく使用される漢方薬です。

現時点では「双黄連口服液」が新型コロナウイルス感染症に効くという明らかな臨床データはまだないようですが、1990年代後半の現代医学の薬理研究では、「双黄連口服液」には、抗菌作用、抗ウイルス作用、免疫力を高める作用等があると研究結果が明らかにされていました。

その後、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、帯状疱疹ウイルスを抑制するために、中国の医療現場では早くから西洋薬と共に中西結合医療(統合医療)として、「双黄連口服液」が多く用いられています。

また、2003年のSARSが流行した時にも、西洋医学の治療と東洋医学の治療を合わせた統合治療に用いられ大活躍した漢方薬としても有名です。 

残念ながら日本の医療現場では、まだ中国のように統合医療が実践されておらず、西洋医学一辺倒の治療が主流です。

日本ではあまりニュースなどで伝えられていませんが、中国の大型病院には必ず、中国医学の各科(中医内科、鍼灸科など)が存在し、今回の新型コロナウイルス感染症にも西洋医学の治療と共に漢方薬や鍼灸治療は用いられているのです。

日本にも医療用漢方製剤として少しは顆粒の漢方薬も存在しますが、「双黄連口服液」は日本では使われておらず、現在、日本で新型コロナウイルス感染症に苦しまれている方々は「双黄連口服液」と西洋薬を併用する統合医療の治療を受けられないのが残念です。

※中成薬とは、中医学理論に基づき作られた代表的処方を、錠剤、丸薬、顆粒、シロップなど飲みやすい形にした漢方薬製剤のことです。

投稿者:tcm-editor

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