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2024年10月号『予防医学としての中国医学治療』

これまでの現代医学の研究は、“病気を治療し治す”ことがメインでした。しかし、近年は「予防医学」という病気にならないための研究が重要視されています。常日頃から健康な人が生活習慣等に気を付けて、病気の発症を防ぐことで、健康に生活を送るためです。

「予防医学」とは、病気を未然に防ぎ、心身ともに病気にかからないように予防する医学で、健康な身体作りを目的としています。従来の病気になってから治療を行う臨床医学と異なり、病気にかからないように、また発症しないように予防する医学です。

さらに、本来の病気を未然に防ぐ目的以外に、病気の進行を防ぐことや発症した病気の再発を防ぐことも予防医学の定義に含まれています。予防医学によって、総合的に生活の質を改善し、健康寿命を延ばすことを目指しています。

中国医学には、「予防医学」という考え方が、近年、現代医学で注目される遙か昔から、現代の予防医学にあたる「未病先防(みびょうせんぼう)」という病気を予防するという概念があります。中国医学の「未病先防」とは、病気の芽を摘み取ってしまうことで、重篤な病気にならないようにする考え方です。

具体的には、全身の諸症状から診断して、未病の状態を的確に把握し、病に発展する前に、鍼灸治療、漢方薬、推拿(マッサージ)等の伝統的な中国医学療法を組み合わせて、身体の病気に対する抵抗力を高め、病気の早期予防と治療を行うことです。

現代の中国医学では、中国語で「中医預防医学」と呼ばれ、中国医学理論と治療方法を用いて、病気の予防と健康の促進に焦点をあてた医学として研究が進められています。

中国では、経済発展が進むにつれ、生活のペースが加速し、社会的ストレスも増え、環境汚染も悪化するなかで、一層人々の健康に対する要求は高まっているため、中国の伝統的な中国医学(鍼灸治療、漢方薬)による予防医学は、現在、特に重要視されています。

中国医学は、予防医学領域では長い実績があり、予防医学の分野で最先端を行っているといっても過言ではありません。これから世界の医療現場では、さらに注目され、臨床応用されていくと思います。

投稿者:tcm-editor

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