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2023年07月号『中国医学の体質改善②』

【“実”体質】

  • ⑤ 「血瘀体質」血瘀とは、ストレスや運動不足など何らかの原因で血(けつ)の流れが滞った状態です。血は、常に体内を流れることで正常な働きをすることができます。
    ○血瘀症状:顔色がやや暗い、舌下静脈が青紫色、皮膚の荒れ、青あざが治りにくい、不眠、健忘症など。
    ○中国医学治療:血の流れをよくする活血作用、瘀血を改善する化瘀*作用のある
    「経穴(ツボ)→膈腧、三陰交」「漢方薬(生薬)→桃仁、川芎」
    *化瘀:瘀血(古く汚れた血)を取り除き、血を浄化し、血液の循環を良くすること。
  • ⑥ 「痰湿体質」痰湿とは、水分の摂り過ぎ、脂っこい物の食べ過ぎなど、身体に余分な水分や痰*(中性脂肪、コレステロールなど)が生じている状態です。
    *痰:中国医学では、粘稠な病理産物を指し、西洋医学でいう「のどに絡む痰」だけを指すものではない。
    ○痰湿症状:肥満、多汗、身体がだるく重い、浮腫、眩暈、頭重感、痰が多いなど。
    ○中国医学治療:余分な水分を取り除く燥湿作用、痰を改善する化痰作用のある
    「経穴(ツボ)→陰陵泉、豊隆」「漢方薬(生薬)→半夏、前胡」
  • ⑦ 「気滞体質」気滞とは、気(エネルギー)がストレスや様々な原因によって巡りが悪くなり、気が滞っている状態です。
    ○気滞症状:お腹の張り、ガスが多い、腹痛、食欲不振、乳房の張り、イライラ、情緒不安定 など。
    ○中国医学治療:気の流れを整える理気作用、気の巡りをよくする行気作用のある
    「経穴(ツボ)→内関、太衝」「漢方薬(生薬)→柴胡、枳実」

以上、大きく7種の体質に分類していますが、この他に、非常にバランスの取れた状態の良い体質の【“平”体質】、アレルギーや過敏症のある【“特稟”体質】があります。

実際には、このように典型的な体質に分けられるケースが少なく、特に臨床では、【“虚”体質】と【“実”体質】が複合した複雑な複合型体質が多くあります。 このような不良な体質を中国医学的な診断法である四診(望診・聞診・問診・切診)を用いて診断し、各体質タイプに合った鍼灸治療、漢方薬治療を行い、体質改善させるのです。

中国医学とは、現代医学とは異なる角度から診る、もう一つの体系化された医学なのです。

投稿者:tcm-editor

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