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心因性失声症とは、心理的な負担やストレスによって引き起こされ、声帯や筋肉には明確な問題がないにもかかわらず、声が出にくく、あるいはまったく声が出なくなる状態です。 声が出ないという症状だけでなく、声が出てもかすれ声、しわがれ声になってしまう、声の出し方すら分からなくなるなどの状態も含みます。
また、喉の詰まり感(咽喉頭異常感症)、を併発する場合もあります。 30歳以上の女性に多い疾患ですが、男性でも発症するケースがあります。声帯や脳の病気を疑い、病院を受診し、いろいろ検査するも、異常が見つからず、身体的な問題がないことを確認すると、心因性ということで、最終的に心療内科の受診に至るケースがほとんどです。
病院の治療では、抗うつ薬、抗不安薬などの薬物治療、また、心理療法や発声訓練が行われますが、なかなか回復せず症状が長引くことも多いです。
中国医学では、「失声症」は、「瘖(喉暗)」と呼ばれ、「咽喉頭異常感症」は「梅核気」と呼び、はるか昔から治療してきました。「失声症」は、風邪を引いた際、声帯の疲労損傷や喉の潤い不足(肺燥津傷、腎陰不足)でも起リます。
今回は、心因性やストレス(情志の鬱滞)が原因の肝鬱気滞タイプの説明をします。
精神的ストレスによる感情抑鬱の状態、イライラ、怒りっぽい、落ち込む、思い悩む、気分が重い、気分が晴れないなどが続くと、肝気が鬱滞し、気の流れが滞り、喉、胸の煩悶感を引き起こし、喉の詰まりや失声が発症します。
鍼灸治療では、気の流れを改善するため、太衝穴、内関穴などの経穴(ツボ)や、喉の付近の天突穴、廉泉穴に刺鍼し、治療します。漢方薬では、柴胡疏肝散、通竅活血湯などを用いて治療することで症状を軽減させることが出来ます。
鍼灸治療や漢方薬治療は、現代医学とは異なる視点から診るもう一つの医学なのです。
投稿者:tcm-editor
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