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2022年10月号『帯状疱疹、ヘルペスの後遺症の鍼灸治療』

水疱瘡(みずぼうそう)の原因、水痘・帯状疱疹ウイルスは、水疱瘡に罹り治った後も、ウイルスは症状を出さない状態で体内に潜み続けており、将来的に帯状疱疹を引き起す可能性があります。

発症しやすい部位は、上肢~胸背部が約30%、腹背部が約20%です。
顔面、特に目の周りに現れることも。また、17%ほどの割合で、足に発症することもあります。

帯状に水疱ができ強い痛みを伴うのが特徴です。
また、帯状疱疹は頭痛やしびれ、帯状疱疹神経痛による強い痛みが継続するなどの後遺症が残ることもあります。

一方、ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスの感染が原因で、水疱ができる部位によって病名が分けられ、主な種類は口唇ヘルペスと性器ヘルペスの2つです。その他にも指などに発症するケースもあります。

単純ヘルペスウイルスに感染し、発症しますが、水疱ができ、その後かさぶたとなります。
発症する場所によっては、痛みを感じない無症状のケースもあります。
また、完治しても一度感染すると、体内にウイルスが残るため、再発するおそれがあります。

再発の原因は、発熱、疲労の蓄積やストレス、妊娠や出産、薬の服用による免疫低下などでウイルスが再活性化するためですが、既にヘルペスウイルスに対して免疫が出来ているので一般的には、軽症ですみます。

しかし、注意が必要なのは、急性脳炎の一種である「ヘルペス脳炎」です。
これは後遺症で身体の麻痺、意識障害が悪化し亡くなるケースもあります。

ヘルペスは、基本的には抗ウイルス薬などによる治療で治癒しますが、問題は後遺症です。
中国の医療現場では、帯状疱疹、単純ヘルペス、ヘルペス脳炎の後遺症に、中国医学(鍼灸治療、漢方薬)も併用して、治療薬効果を上げています。

しかし、日本では、いまだに統合医療が進まず、鎮痛剤など対症療法のみの治療で、患者さんの後遺症からの回復が非常に長期化してしまっています。

日本でも、帯状疱疹、単純ヘルペス、ヘルペス脳炎の後遺症に対して積極的に鍼灸治療、漢方薬を用いるべきだと思います。

投稿者:tcm-editor

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