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2021年04月号『変形性股関節症』

患者の多くは女性で、股関節のクッションの役目をはたしている軟骨の摩耗などにより、骨盤の臼蓋(股関節の受け皿のような部分)と大腿骨の骨頭(先端が丸くなった骨)が変形することで、痛みや動かしづらさ、両足の長さの違いなどが生じる病気。

股関節症の主な症状は、関節の痛み、関節の動かしづらさ、両足の長さの違い、それに伴う歩きにくさが代表的な症状。
軟骨がすり減り、関節の隙間が少し狭くなる初期症状では、立ち上がる時や、歩き始めに脚の付け根に痛みを感じる程度。関節の軟骨の摩耗と変性が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛や夜間痛に悩まされる。
日常生活では、あぐら姿勢が難しくなったり、靴下が履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になる。また長時間立ったり、歩いたりすることがつらくなり、階段や車・バスの乗り降りも手すりが必要になり生活に支障を来たす。

西洋医学では手術を行わない保存療法(鎮痛剤服用)、運動療法(水中ウォーキングなどの筋力トレーニング)で、進行を遅らせる治療を行うが、なかなか改善せず悪化進行してしまった場合、最終的には手術療法で人工股関節全置換が行われる。

中国医学(鍼灸、漢方薬)では、変形性股関節症の進行を遅らせるため、股関節周りの軟部組織、筋肉に直接、鍼治療を行い、血流を改善し炎症を鎮めることで股関節の拘縮と周囲筋肉の萎縮を防ぎ軽減する。
股関節症は、関節に痛みがあるため、歩くことや運動をしなくなり、股関節周りや足腰の筋肉が衰えることにより症状が悪化してしまうケースが多い。
方薬、鍼灸治療を併用することで、痛みをコントロールしながら、運動療法を徐々に補填することで、進行を遅らせることができる。さらに、股関節と関係の深い経穴(ツボ)にも合わせて鍼灸治療を行い、患部のみの局部治療だけではなく、身体全体の治療を行い、効果を高める。

投稿者:tcm-editor

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