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視神経炎は視神経に起こる炎症によって、視力低下や視野狭窄を引き起こす病気です。片眼あるいは、まれに両眼に起こることもあります。視神経炎が起こり神経の流れが妨げられると、数日間~1週間程度で比較的急激に視力低下が進行します。さらに視野障害を発症し、目の奥の痛みや頭痛を伴うことが多いのが特徴です。原因不明の特発性の場合や、側頭動脈炎、虚血(血行不良)、蓄膿症、腫瘍や動脈瘤などによる圧迫、また、多発性硬化症、視神経脊髄炎の初発症状として出現することがあります。
西洋医学での基本的な治療は、ステロイドパルス療法(高濃度の副腎ステロイド薬の点滴)です。自己免疫などが原因で生じている視神経炎には、ステロイドパルス療法の効果がでない場合もありますが、その場合には、⾎漿浄化療法(⼈⼝透析に使⽤する特殊な機械を⽤いて⾎液を体外に取り出し、⾎液中に含まれる⾃⼰抗体や炎症に関わる物質を取り除く)や、免疫グロブリン療法(⾎液中に含まれる免疫システムの異常を調節するタンパク質の免疫グロブリンを点滴)が⾏われます。また、多発性硬化症や視神経脊髄炎と診断された場合は、それぞれの病気に合わせた治療を⾏います。しかし、完全に視野や視力が戻らず、再発症の不安も残り大きな問題です。 西洋医学では、再発予防や、視野の欠損、視力低下が完全に回復しなかった場合に、視神経の栄養のためにビタミンB1や、血管の循環障害では視神経への血液供給を増加させるために血液循環を改善させる薬を用います。
鍼灸治療でも同様に眼の周囲の経穴(ツボ)などを中心に刺鍼することで血流を改善させます。鍼灸治療の直接的な刺激の方が、眼球周囲の局部的な血流改善効果が高いのです。また、球后穴という経穴の近くには、眼神経と動眼神経が分布しており、局所領域の炎症を緩和するのにも有効です
投稿者:tcm-editor
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