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発症は50歳から増加し70歳代で最も多く、高齢者に多い。筋肉痛や関節痛、発熱などを主症状とし、炎症(血沈、CRP上昇)を伴う原因不明の炎症性疾患である。男女の比率は1対2で女性に多い。
1957年にBarberが、polymyalgia rheumatica (PMR: リウマチ性多発筋痛症)と名付けた。
◆ 筋肉痛…頸部から肩、肩甲部、上腕にかけて、また、大腿部から膝などの近位部に筋肉痛が起こる。痛みは軽いものから、激しい筋肉痛を伴うものもある。特に肩甲部の疼痛が起こるのは頻度が高く、上肢の挙上障害や上腕圧痛は、典型症状である。急性発症者は、朝起きると全身が痛み、こわばりを起こす傾向がある。
◆ 関節痛…多くは両側性で、手関節、膝関節などに多い。関節リウマチとは異なり手指関節の軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ変形することは稀である。
◆ 発熱…原因不明の発熱で、37℃台程度の発熱から38℃を超えるものまで程度は様々。発症当初は抗生物質や抗菌剤で治療をするが改善しない。
◆ その他…疲労感や、食欲不振、抑うつ症状、体重減少などがある。
病院の治療では、ステロイド(10~20mg/日)服用で多くは早期に改善するが、その後、少しずつステロイドを減量すると再燃するケースや、少量のステロイド(5mg/日)の服用もやめられない場合もある。
中国医学では、生命機能の総称である正気が不足したことにより、衛外不固(外部に対する免疫・防衛機能が低下)状態の身体に、風寒湿邪が侵襲したことで経気不利(気が流れにくい)を引き起こし、関節などの経絡の気血の流れが悪くなり、リウマチ性多発筋痛症が発生したと考える。
中国医学治療では、正気を補充する根本的な体質改善治療を鍼灸・漢方薬治療で行う。また、関節等に痛みがある場合は、関節を温め冷えを取り除き血流を改善する経穴(ツボ)に鍼灸治療することで、痛みを取り除き関節の動きを改善できる。ステロイド治療と鍼灸治療や漢方薬治療を併用することで、ステロイドの減薬期間を早め、ステロイド離脱を促すことができる。
このように、西洋医学だけでなく、中国医学(漢方薬治療、鍼灸治療)と統合して治療することで、相乗効果で症状の改善を早め、効果を高めることができる。
『リウマチ性多発筋痛症』
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投稿者:tcm-editor
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