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「葛根湯」は、かぜ薬、として大変なじみのある漢方薬で、顆粒やエキス剤タイプの「葛根湯」もあり、幅広い年代で服用されています。 ―「葛根湯」の生薬構成― 葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ) ―「葛根湯」の特長― ①身体を温める=発汗作用や利尿作用を高め、かぜの初期症状を改善。 ②血行促進で代謝機能を高める=筋肉の老廃物を排除し、肩こりや首筋のこりを改善。
「葛根湯」の歴史はとても長く、後漢時代(25~220年)の中国の医学書「傷寒論」にも記載されています。(※「傷寒論」医聖:張仲景によって著された中国医学(東洋医学)の原典。) この「傷寒論」では、「太陽病(少し発熱して、頭痛のある状態)で、首すじから背中にかけて筋肉がこわばっている、皮膚は汗ばむことなし、冷たい風にあたると寒気がする。このような症状には葛根湯がよい」と記されています。
葛の花と葛根
「葛根湯」は、“かぜ”の初期に服用する“かぜ”専用の漢方薬ではなく『首筋の凝り』『頭痛』『寒気(冷え性)』の症状にも有効であるということです。「葛根湯」には後頭部から首筋、背中にかけての筋肉の緊張をほぐす作用があり、肩凝りやそれに伴う頭痛(筋緊張性頭痛)にも大変有効です。 西洋医学では、何か病気をした場合、その症状に応じた薬を処方します。咳が出るのであれば咳止め、お腹が痛ければ胃腸の薬をと、病気や症状ごとに異なる薬を処方します。 中国医学では、全く異なる病気を同じ処方や治療法で治すということがよくあります。つまり、中国医学の治療では、同じ漢方薬を異なる症状に処方しても効果があるということです。これを「異病同治」といいます。 「葛根湯」は、1種の漢方薬で様々な疾患に対する効能を持つ「異病同治」の、理解しやすい大変良い例だと思います。体質や病気の本質を診て治療する中国医学は、古くて最も新しい医学です。
投稿者:tcm-editor
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