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2015年7月号 不眠症に効く鍼灸治療

2014年11月アメリカのABCニュースで、『不眠症には鍼灸を試してみては?』という題で、不眠症への鍼灸治療の効果について紹介されています。New York College of Traditional Chinese Medicine学長のチェン医師は、「ストレスの多い現代社会において、自律神経を整え、全身の緊張をほぐし、心身をリラックスさせる効果が期待される鍼灸治療は、不眠症の改善に非常に効果的」さらに「鍼灸治療後のMRI検査に見られる脳の変化からも、鍼灸の有効性が科学的に証明された」と語っています。アメリカには2000を超える睡眠専門クリニックがあり、米国科学アカデミーによると、5000万~7000万のアメリカ人が慢性的不眠障害に悩んでいると推測されています。日本の不眠症患者数は、先進諸国の中でもトップクラス。しかし、病院の不眠外来等を受診する患者数は最も低い割合となっています。病院に行かない理由としては、「病院に行っても睡眠薬の処方のみでなかなか治らない」が、最も多かったのです。 自律神経のバランスが乱れて、夜になっても副交感神経の働きが弱く、交感神経(活動神経)の働きが強いため、入眠困難、中途覚醒等の睡眠障害症状となるのです。

鍼灸治療では、投薬ではなく、神門、太衝等の経穴(ツボ)に刺鍼することで、自律神経を整え、不眠症状を改善させていきます。 中医学では、不眠症の原因は心・肝・胆・脾・胃・腎など臓腑機能の乱れと考えます。特に肝・心・脾です。肝は情緒(自律神経)と、心は精神(脳)と、脾は思考(意識)と関連していると考えます。肝・心・脾の乱れは、ストレスなどにより機能が亢進する場合と臓腑の活動を支える血流不足による機能低下という2つのタイプがあります。

○機能亢進するタイプ

  • 肝火上炎(ストレスなどで異常に感情が高ぶって入眠困難タイプ)
  • 心火亢盛

○機能低下するタイプ

  • 肝血不足(抑うつなどで肝血に消耗して入眠困難タイプ)
  • 心脾両虚(過度な思慮や心労などによる易覚醒・熟睡障害タイプ)


投稿者:tcm-editor

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