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2014年10月号 ピカソも愛用した「鍼灸」-欧米でもポピュラーな「鍼灸治療」

ツボ(経穴)を刺激することで健康増進を促す「鍼灸」、健康寿命を延ばす「鍼灸」は、まさに現代社会の、西洋医学とは違った角度から診る、もう一つの医学であり、予防医学。

近年、代替医療として「鍼灸」治療による鎮痛作用のメカニズムが解明され、医学誌などで発表されている。
現在、欧米では「代替医療といえば、鍼灸」というほどポピュラーな治療法。

スペインが生んだ天才画家ピカソも、持病の坐骨神経痛を当時フランスで鍼治療を受けて治癒して以来、鍼治療の愛好家となり健康を保ち、晩年まで絵を描き続けたという。
このエピソードは鍼灸業界ではかなり有名な話。

「世界中で報告された鍼灸治療の研究論文の数は、代替医療の中で最も多く、なかでも2010年に鍼治療の効果について報告された論文は、米科学誌『ネイチャー・ニューロサイエンス』にも掲載されました」(北里大学東洋医学総合研究所漢方鍼灸治療センター副センター長・伊藤剛医師

三陰交足の三里

権威ある科学誌に掲載されたのは、米国医師による鍼灸の研究。それは、マウスによる実験で、『足三里』というツボ刺激により、鎮痛作用のメカニズムを突き止めたという。
科学的に認められている鍼灸の効果には、どのようなものがあるのだろうか。

わかりやすいところでは、『三陰交(さんいんこう)』というツボを刺激すると、子宮や卵巣などの血流が増加することや、『足三里(あしさんり)』を刺激すると胃の動きが活発になることなどが証明されている。
これ以外にも、腰痛や頭痛、歯の痛み、肩こり、関節痛、吐き気・嘔吐(おうと)、喘息(ぜんそく)など、さまざまな症状で有効性が報告され、かなり具体的な作用のメカニズムも解明されてきている。
研究結果では、「ツボには外部刺激を受け取る“感覚受容器”という神経のセンサーがあることがわかった」。神経のセンサーが刺激されると、その信号は神経を介して脊髄や脳に伝わり、筋肉や内臓に作用したり、鎮痛物質(脳内モルヒネなど)を分泌したりする。また、自律神軽やホルモン、免疫機構にも影響を及ぼす、ということである。

中国で古くから人々は、それらの無数の経験、体験を通して、効果を実感、体得し、人々の健康を守る「医療」として発展させ、体系化していった結果、中国医学が生まれたということなのだろう。

投稿者:tcm-editor

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