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中国医学では昔から痛みに対し「不通則痛、通則不痛」という考え方をします。通じなければ痛み、通じると痛くなくなるという意味です。それは、「血の流れ」のことです。
「血」は、体の中を巡って組織に栄養と酸素を与え、同時に発生する二酸化炭素や老廃物を回収して心臓に戻し、健康な状態を保っています。
「血」が流れる血管は筋肉の中を通っており、疲労やストレスで筋肉が凝り固まり緊張すると、血管が圧迫されて血流が悪くなります。そこで緊張した筋肉に鍼を刺すと筋肉が緩み、血流が増加し、「血」の不通状態が改善し、痛みが軽減されるのです。
また、筋肉の深さまで鍼を刺すと、痛みの原因となっている発痛物質を血流と共に流してくれます。一般的に激しい痛みがある場合、交感神経系は過剰に緊張し、末梢の血管を強く収縮させます。同時に、運動神経系も興奮させますので、筋肉は硬くなり、患部の血管を圧迫して、血行を悪化させます。そうなると、発痛物質などの代謝産物が患部に多く溜まってしまい、さらに痛みを増強させることになります。これが、いわゆる「痛みの悪循環」と呼ばれる現象です。
さらに鍼治療では、この悪循環を断ち切り、筋緊張を緩め、血行を増加させることで、痛みを軽減させることができるのです。鍼治療は、体表の主に細い感覚神経を刺激し、中枢神経内に天然のモルヒネのような物質、いわゆる「内因性オピオイド」を放出させ、痛みを抑制する内在性鎮痛システムを活発化し、脊髄レベルで、痛みを伝える神経の興奮をブロックします。また、同時に鍼治療が、体表の太い感覚神経をも刺激し、脊髄で痛みを反射的にブロックするシステムを作動させます。これは、身体をどこかにぶつけた際に、その部分を「さする」と痛みが和らぐのと同じです。つまり鍼治療は、中枢からの抑制系と脊髄の抑制系の二重で痛みをブロックできるので、鎮痛効果が高いのです。
投稿者:tcm-editor
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