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2013年7月号 安全で品質の高い漢方薬

安全で品質の高い漢方薬漢方薬とは、植物(草根木皮)や動物、鉱物など、自然界に存在する天然物から作られる生薬を、中国(東洋)医学的に診て(脈診、舌診など)、体力の強弱や体質(証)などに合わせ、数種類の生薬を組み合わせて処方する薬のことです。

昔から中国では、感冒や下痢、各種の痛みなどの急性症状に対して、薬草を煎じて服用していました。これが漢方薬治療の始まりです。

日本でいうところの、いわゆる漢方薬は、中華人民共和国では中薬、朝鮮半島では高麗薬として伝統的に使われています。大韓民国では、韓薬の呼称が一般的です。(今,テレビで韓医学の父、イ・ジェマを放映中)

漢方薬の本場である中国では、市場経済導入後、国が大きく発展し様変わりしているのと同様に、漢方薬も、生産、加工技術革新により、品質が非常に向上しています。

北京では「同仁堂」、上海なら「童涵春」などが老舗として有名な漢方薬局です。これらの伝統的な薬局も、今では、中薬(煎じ薬)を薬剤師が調合するだけでなく、近代的な機械を導入して漢方薬(中成薬)を工場生産しているところが多いのです。「同仁堂」だけでも北京では5ヵ所の「北京同仁堂製薬廠」という中成薬の生産工場があります。

大量生産は価格を抑えることに成功しただけでなく、品質管理の面からも大きく向上しました。品質のバラツキも解消され、密閉された容器により、長期間の保存も可能になりました。

たとえば、中国には心臓病に効果がある「冠心Ⅱ号」という顆粒状の漢方薬(中成薬)があります。発売は10数年前にさかのぼり、中国では誰もが知っているとても有名な薬です。日本のある製薬会社は、この薬をそのまま輸入し、生薬の主な成分や処方(割合)にはまったく手が加えられることなく、パッケージを日本用に変更して日本で販売しているのです。商品名は違いますが、中国で製造された漢方薬が厳しい日本の厚生省の検査にも合格し、日本で市販されているのです。つまり、それほど現在の中国漢方薬(中成薬)の品質は高く評価されているのです。

投稿者:tcm-editor

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