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2011年9月号 つわり(妊娠悪阻)の鍼灸治療

つわり つわり(妊娠悪阻)原因は、まだハッキリと解明されていません。妊娠することによって母体のホルモンや内分泌のバランスに大きな変化が起こり、そのホルモンの一種であるHCG(性腺刺激ホルモン)が関係しているのではないか?と考えられています。しかし、HCG自体がどのように作用し、つわりを起こすのかは、解明されていません。妊娠で体質がアルカリ性から酸性に変わるため、等の諸説もありますが、医学的には立証にいたっていません。

中国医学では、循環器や神経系の活動をはじめとする身体のエネルギーが、妊娠することで子宮に多く奪われてしまい、消化器系でもエネルギー不足が起こり、もともと胃腸が弱い体質の場合には、弱点である胃に不調を来すと考えられています。

悪心・嘔吐などの、悪阻(つわり)症状を引き起こす直接的な要因は、『胃気の上逆』と考えます。つまり、胃気が正常であれば、食道から胃、胃から腸へと下へ向かう流れを作り、消化を助けているのに、胃気が、逆流して腸から胃へと流れが上に向かってしまい、悪心・嘔吐を起こしているということです。

*この胃気上逆を起こす背景因子としておおきく3つに分類されます。

  • 胃虚型:胃腸が弱い、食べる量が少ない、胃下垂
  • 肝熱型:ストレスが多く、胃酸過多、ストレス胃痛、胃けいれん
  • 痰湿(脾陽不足)型:慢性的に胃腸の働きが悪い、食欲不振、下痢しやすい。

 上記の、どのタイプ(型)に相当するのかを診断し、それぞれのタイプに合った経穴(ツボ)である内関・足三里・陰陵泉、太衝などに鍼灸治療を行います。鍼灸治療は、胃気の逆流を抑え、胃腸の正常な働きを取り戻すことで、つらい悪阻症状を改善することができるのです。東洋(鍼灸)医学は、西洋医学とは異なる、もう一つの医学なのです。

投稿者:tcm-editor

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