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2011年6月号 不妊鍼灸治療・臨床例②

不妊鍼灸治療 “多嚢胞性卵巣症候群を克服して出産”

2000年5月 月経不順と不妊で婦人科を受診。多嚢胞性卵巣症候群と診断され、排卵誘剤、卵胞ホルモン、黄体ホルモン等での治療を始める。
2000年12月 なかなか妊娠に至らず、当院を受診。
2001年1月 ホルモン剤などを服用するも副作用が強く、服用をやめ、婦人科での治療を中止。 当院で、鍼灸治療を続ける中、月経周期が改善され安定。月経にまつわる不調も軽減。
2002年2月まで1年間、当院で治療されたが、1年ぶりに月経周期が延びたので婦人科を受診すると妊娠が判明。
2002年10月 無事に元気な男子を出産(当時30才)。現在は、3児の母親に。

多嚢胞性卵巣症候群では、全く排卵しなくなってしまう場合、時々、排卵する場合、月経周期が延びてしまう場合、黄体機能不全になる場合など症状は様々。どの症状をとっても不妊に直結する大きな問題。

今回の不妊症の方は、中国医学的に分析すると、頭痛、肩こり、月経が遅れる、生理痛が強い、月経血にレバー状の血の塊が含まれるなどの症状から「お血(おけつ)タイプ」と診断。

お血(おけつ)とは、うっ血や血行障害など血の流れが滞り、または、それによって引き起こされる様々な症状を指す。鍼灸治療では、骨盤底の血流を改善し、新鮮な血液が十分に卵巣や子宮に行き渡るようにすることで、卵胞の発育を促し、排卵や着床を促進させた。さらに、根源的に身体全体の血流を改善する治療を継続し、妊娠しやすい身体づくりを行う。

鍼灸治療には、

  • ホルモンバランスを改善し、妊娠しやすい状態を保つ
  • 卵巣の機能を向上させ、質の高い卵子を育てる
  • 子宮の血行促進により、受精卵の着床を安定させる

などの効果がある。

※「お血」の”お”は「やまいだれ」に於。

投稿者:tcm-editor

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