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高齢化社会を迎え、パーキンソン病は、めずらしい病気ではなくなってきている。主に40歳から50歳以降に発症し、ゆっくりと進行する原因不明の神経変性疾患。日本では、人口1,000人当たりに約1人。50~60歳代で発病することが多いが、70歳以上の高齢で発病する場合も稀ではない。時には40歳前に発病する場合もある。
手足のふるえ、手足のこわばり、動作が緩慢、転びやすくなる等が代表的な症状、特徴である。
パーキンソン病の治療では、原因である不足したドーパミンを補う薬物治療とドーパミンの働きを補助する薬を組み合わせてより治療効果が上がるようになった。さらに、運動症状が主なパーキンソン病の治療では、薬物治療と同時に、運動療法も行い、病状の安定や緩和、日常生活の向上に重要な役割を果たしている。
現在までの中国や日本の鍼灸治療によるパーキンソン病の臨床報告例を総括すると、パーキンソン病は、今も難病の1つで、現代医学でも完全には克服できないのと同じように、鍼灸治療でも完治させることはできていない。しかし、鍼灸治療で症状の改善と進行を遅らせる効果は認められている。
中国国立針灸研究所の研究報告では、「頭皮針療法」での、パーキンソン病患者に対する鍼灸治療で、脳内の大脳大動脈、大脳中動脈、大脳後動脈の減少していた血液循環を改善させ、各動脈の血流量が倍以上に増加した。さらに、鍼灸治療は、黒質神経細胞に良い刺激を与え、ドーパミンの分泌を促進し、ドーパミン分泌量の増加が認められたとある。
パーキンソン病の重症度は1度~5度に分類されている。それぞれの重症度に合わせた治療が必要である。
鍼灸治療は、パーキンソン病に対し、現代医学の薬物療法・運動療法と併用することで、相乗効果が期待できる。「頭皮針療法」以外の鍼灸治療では、四肢、腰部及び頚部に鍼灸治療を行うことで、運動機能を改善し、手足のふるえ、こわばりを軽減することができる。
投稿者:tcm-editor
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