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2008年12月号 自律神経失調症

身体がだるい、イライラ、動悸、呼吸が苦しい、頭痛、肩こり、不眠、食欲不振、元気が出ない等の症状があり、病院で検査を受けても特に異常が認められない場合に「自律神経失調症」と診断されることが多い。

自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、交感神経は車のアクセル、副交感神経はブレーキのようなもの。例えば、アクセルを上げると心拍数が上がり、血圧が上昇する(ドキドキ)。反対にブレーキをかけると心拍数が下がり、血圧が下降する(リラックス)。このアクセルとブレーキのような関係により、人間の身体は無意識に調整されているが、この調節が崩れた状態を「自律神経失調症」という。

自律神経失調症日常生活の中で、責任感が強いためにカリカリしたり、ストレスでイライラしたり、いつも時間に追い立てられソワソワしたりと交感神経が過剰に緊張している状態や、食事の時間が不規則、睡眠不足、深夜残業、過剰労働、休養が取れない等の副交感神経を働かせられない状態が続くと発症する。 中国最古の医学書『黄帝内経』によると、『百病は気によって生じ、怒れば気は上り、思い悩むと気が結滞する』とある。これは、ウイルス感染のような外部から身体に侵襲して起こる病気以外に、ストレスなどが原因で起こる病気の存在を解明し、漢方薬や鍼灸で既に治療していたことを示している。特に鍼灸治療で、内関・太衝・百会・四神総・三陰交などの経穴(ツボ)に刺鍼することで高い治療効果があると記載されている。

鍼灸、推拿(マッサージ)、足底反射などの外的刺激療法は、過緊張状態に至った自律神経を和らげ、調整する作用がある。さらに、皮膚刺激を通して脳の視床下部に影響を与え、ホルモン分泌を改善し、体内バランスを整える。最近の研究では、「気持ちいい」という快刺激が脳内のβエンドルフィン等の神経ペプチドの分泌を活性化させ、自律神経の機能を正常化させる働きがあることが科学的に証明されている。

投稿者:tcm-editor

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