最近、老若を問わず不眠に悩む人が増えています。情報化などの社会の激しい変化に多くの人々は振り回され、生き物としての自然なリズムや人間関係が壊されてきているせいかもしれません。左記の項目が一つでも当てはまり、その症状が1ヶ月以上続くなら、睡眠障害の可能性が大です。
- 夜中に何度も目が覚める
- 早朝目が覚める
- 寝付きが悪く、眠るまでに時間がかかる
- 熟睡した気がしない
- 寝付く時間がだんだん遅くなり、朝なかなか起きられない
- 長時間眠りすぎてしまう
- 日中、眠気がとれない
西洋医学では、不眠症は一種の精神症状とされており、睡眠剤による対症的な治療法が主に行われています。中国医学では不眠の多くは、ストレスなどを受けることで臓腑に悪影響を及ぼして起こると考えられています。不眠と関係する臓腑は「心、肝、脾、腎」の4つで、情緒の変化の影響を受けて四臓腑の機機能が失調すると、それぞれ原因の違う不眠が起こります。
- 肝気鬱結タイプ…ストレスで血液の貯蔵や血液量の調整をする肝が正常に機能しない状態。イライラ、怒りっぽい、咽のつまり感、ため息、鬱(女性に多い)
- 心脾両虚タイプ…胃腸が弱く、クヨクヨする人に多く、些細なことが気になり眠れない。食欲不振、腹部の張り、軟便、疲労感、倦怠感、低血圧、貧血、生理不順
- 心腎陰虚タイプ…ストレスや老化、慢性病などが原因で、腎が弱って体液が不足した状態。舌の色が赤い、腰痛、手足のほてり、寝汗、のどの乾き(更年期に入った中年以降の人に多い)
「不眠」の原因は人それぞれ違うため、中国医学では、患者さんの原因、タイプに合わせてツボを選択し鍼治療します。体にやさしい根本治療で体質を改善させるのです。患者さんの精神を安定させ、気持ちを鎮めて落ち着かせ、心を安らかにすることで不眠を治癒させるのです。