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2007年6月号 慢性胃炎

Q:3年間、原因不明の慢性胃炎で悩んでいます。鍼灸治療は慢性胃炎に効果があるのでしょうか?

A:慢性胃炎は中国医学では「胃かん痛」と呼ばれて、古典医学書「内経」や「針灸甲乙経」などに記載され、治療効果は古くから認められています。

1980年代には「鍼灸治療を行うことにより、胃液分泌機能(胃酸や粘液の分泌)、胃壁の萎縮、またその他消化器系の働きを改善させ、胃の症状を正常に回復させる。」また、「足三里という経穴(ツボ)に刺鍼した状態で胃のレントゲン撮影する実験では、胃の蠕動運動が顕著に促進されることが観察できた。」という報告が学会で発表されました。

慢性胃炎は、慢性的な胃の炎症のことではなく、度重なる胃粘膜のただれ症状後の後遺症で胃粘膜が萎縮してしまい、胃液を分泌する細胞が減り、胃液の酸度も低下した状態で、胃の老化ともいえます。現代医学では、対処療法的な何種類かの薬剤が処方されますが、中国医学では、根本的に胃がこのような状態になった原因を中医学的に分析・診断し、治療の方針を立てます。

慢性胃炎もちろん漢方薬での治療も行いますが、漢方薬を服用した際にも胃腸での消化吸収が必要であり、胃腸の負担を考えて、まず鍼灸治療である程度の状態まで胃腸を改善してから漢方薬を併用する方法も中国では一般的です。つまり、薬を服用するに当たっても、鍼灸治療との併用が効果的だということです。

投稿者:tcm-editor

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