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2006年1月号 冷え症の針治療

冷え症とは、身体全体では冷えを感じないのにある特定の部分だけが冷たさを感じる症状のこと。さらに頭痛、めまい、のぼせ、下腹部痛、不眠症などの神経症状を伴い、特に下腹部の冷え症は、便秘や下痢、食欲不振に発展することも。 現代医学では、循環器系障害や自律神経機能の失調、貧血、低血圧、ホルモン分泌障害などが原因と診ますが、実際は特定できないのが現状です。

中国医学では、大きく3つのタイプに分けて治療します。

1 〔陽気不足タイプ〕
陽気とは身体を温める働きのある気のことで、陽気不足になると寒邪に犯されやすく身体が冷えやすい。手足の冷えが強く、温かい物を好み、尿の回数や量も多い。

2〔血虚タイプ〕
血虚とは身体を栄養する血の不足状態のことで、血の不足で血液が末端までいきわたらず手足の指先などに冷えを感じる。身体が痩せ、顔色が悪い。

3〔肝気鬱血タイプ〕
ストレス等により、肝の気が滞り、血が停滞して瘀血を生み、気と血が流れにくくなり、冷え症を起こす。動悸、不眠、夢を多くみる。

人は、血液による熱の運搬が行われることで、正常に体温調節されていますが、上記のような原因から、血流が悪くなると血管運動神経が障害され血行不良状態となり、熱の運搬ができず、冷え症を引き起こします。それぞれの原因に合ったツボ(経穴)に針治療することで血流が改善され、高い治療効果を得ることができます。現代医学よりも中国医学に即効性があるものも多いのです。

投稿者:tcm-editor

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