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血液を構成する血漿の91%は水分です。血漿を川にたとえると赤血球、白 血球、血小板などの血球は、川の水に浮かぶ舟のようなものです。川の水が少なくなれば、舟は浅瀬に乗り上げて動けなくなるように、水分が不足すると血漿も 減少し、血液は濃縮されて粘度が高くなり、心筋梗塞や脳梗塞などの循環器疾患を引き起こす原因となります。中医学では血漿や組織液など、栄養のある体液を「津液」とよび、血栓やドロドロの血液を「お血」と よびます。夏場の発汗過多などによる水分不足は、水分補給すれば、解消されますが、もともと「津液不足」の方や血液の循環の悪い人は、「お血証」となり、 血液がよどんだり、酷い場合は血栓となりますが、血栓も微小であれば梗塞を起こしていても自覚症状がなく、病院で検査をしてもわかりません。血液の循環 は、生命の根幹を担う非常に大切なものですから、常に注意が必要です。
2000年ほど前の中国の古代医書には「上工(優れた医者)は未病を治す」と記載されています。「未病を治す」とは、まだ病気になる前、あるいは罹り初 めに治療すること。即ち、中医学(鍼灸)は、予防を大切にする医学なのです。(西洋医学は、検査でわからない未病よりも重くなった病気の治療が中心になり がち)。
中医学では、「津液不足」「お血証」が原因で起こる、頭痛、肩こり、神経痛、生理不順、冷え性、などなど、多くの重病ではないけれど、辛い症状に対し、 「津液不足」であれば腸からの水分吸収を高める治療をし、「お血証」であれば、お血を溶かす働きを高める治療をし、治療目標である血流を改善させ、症状を 軽減させます。
投稿者:tcm-editor
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