トミー:「瘀血(おけつ)」って難しいですよね・・・・😅
一体、何なんですか?
SO院長:中国医学で、鬱血や血行障害など、血の流れの滞りのことや、瘀血によって起きる様々な症状や疾病を指します。
トミー:病気の原因でもあって、病名でもあるって、ややこしいですね。
SO院長:正確には、症状や疾病を指す場合には「瘀血証」と証を後ろに付けますね。
トミーちゃん、ちなみに、「瘀血」と「血瘀」の違いは分かりますか?
トミー:ほとんど同じでしょう!?
例えば、雨風(あめかぜ)と風雨(ふうう)みたいに🧐
SO院長:微妙に違うかも知れません😅
気血の流れが悪く血瘀の状態になり、その結果として生じた病理産物(血腫、凝塊、血栓など)を「瘀血」と呼びます。
トミー:そうなんですね!勉強になりました🤔
SO院長:「瘀血」は、いろいろな症状と関係が深いので、もう少し説明しますね!
「中国医学と瘀血」
以前、私は、北京で開かれた「瘀血証研究国際学術大会」で、臨床研究の立場から「瘀血」が原因で、不妊症、月経不順、さらに多嚢胞卵巣症候群という難治性の婦人科疾患の患者さんに対して、
中国医学の鍼灸治療や漢方薬で、
「駆瘀血療法(瘀血を取り除く)」の治療を行い、高い効果を上げ無事出産された症例を発表しました。
「瘀血」というのは、ちょっと耳慣れない言葉ですが、中国医学では、健康のキーポイントともいえる大切な考え方です。
正常な血液はサラサラとして、滞りなく全身を巡り、身体のすみずみまで栄養を送り、健康を維持しています。
しかし、血液の粘度が高くなると、血液の流れが悪くなり、身体の所々で、淀みや渋滞を起こします。
この状態の血液を「瘀血」と呼びます。
「瘀血」は中国医学で考える“邪”(病気の原因)の1つですが、血流が悪くなると、栄養の供給と老廃物の排出がスムーズにいかなくなり、いろいろな病気を引き起こす原因となります。
「瘀血」が生じる原因は様々ですが、最近、
特に日本で多いのは、外的ストレスや内的ストレス、生活習慣の乱れによって起こるケースです。
現代病の多くの原因となるストレスが血液や血流に悪影響するためです。
また、中国でも、中国が経済発展すると同時にストレスによる現代病は増加する一方です。
このように病気の発症には、中国医学でいう「瘀血」が大きく関わっていることが多く、中国での医学学会も、「瘀血」をテーマに、行われることが多いのです。
「瘀血証」=病気発症ではありませんが、中国医学では、「治未病」の観点から血流を改善する鍼灸治療を行い、病気に至らないように予防します。
また、既に病気を発症している場合にも鍼灸治療で症状を改善し、健康を取り戻します。
『西洋医学とは、違う角度から人体を診る鍼灸治療は、もう一つの医学なのです』



