トミー:鍼灸治療用の針って、自分で作れるんでしょうか?!🤔
SO院長:私の師匠である、中国南陽市の李世珍老師は、子供の頃、針金を自分で切って、さらに先端を鋭くなるまで磨いて針を制作していたそうです。
トミー:そうなんですか!昔は手作りだったんですね。😱
SO院長:李世珍老師の家は、代々続く家伝中国医学針灸の名家で、李世珍老師は、4代目です。父である3代目に針灸針の作り方を習い、毎日、針の制作を手伝って修行していたそうです。
トミー:中国医学の針灸治療技術以外にも針灸針を作る技術も学ぶ必要があったんですね。😅
SO院長:針を指で持つ部分の龍頭(鍼柄)と針体の接着加工は、ハンダ付けしていたそうです。

トミー:むちゃくちゃ難しそうですね・・・・。😭
SO院長:現在は、良い鍼灸針のメーカーがあり、購入できるので、感謝しかないですね。
鍼治療用の針がどのように発展してきたかを、鍼の歴史から少し説明しますね。
トミー:よろしくお願いします。🙇
「鍼治療用の針の歴史」
中国、紀元前2世紀頃の文献には、鍼灸治療の記述が見られます。
昔の針は、鉄の加工技術がなく、太い石や竹などから作られていましたが、鉄の加工技術の発展とともに細く鋭い鉄製の針が作られるようになっていきました。
鉄製の針の製造には、まず鉄を細く加工し、それを一定の長さに切断し、先端を研磨して鋭くする工程があり、細く鋭い針が作られるようになりました。
特に中国の宋王朝(960〜1279年)の時代に針の加工技術や鍼灸技術がさらに発展し、現在使われている針の原型が形成されました。
しかし、当時の針は、細いといっても現代の針よりもはるかに太かったと考えられます。
これは、鉄の加工技術が進歩し、細く加工できたとしても、原材料が鉄ということもあり、酸化すると折れる危険性もあり、現代のステンレス製の針のようには細く加工できなかったのです。
そのため、安全性を考慮して、当時は、あまり深く刺入する鍼治療はできなかったと考えられます。それは、古代九針の形状を見てもよく分かります。
※ 古代九針
日本でも、安土桃山時代(1573年~1603年)に、御薗意斎(みそのいさい)によって発案された打鍼術(だしんじゅつ)に使う太い針がありました。
打鍼術とは、小さな槌を使って、五寸釘のような太い鍼を刺すという刺入法です。
打鍼術で使う鍼は、非常に太く古代九針の大鍼のようなものでした。
しかし、江戸時代(1603年~)中期には、鍼の加工技術が進歩し、鍼管を使い細い鍼を刺入する杉山和一(すぎやまわいち)流が、流行しました。
杉山流と比べると打鍼術の鍼は、相当太かったと言われています。
最後に少し本題と変わりますが、日本では、「打鍼術」からきている表現ではないか?と思うのですが、鍼を刺入することを「鍼を打つ」と言います。
また、現在、病院で注射や点滴をする際にも「打つ」と表現しています。
これは、諸説ありますが、日本の古い鍼灸技術である「打鍼術」と、どちらも関係しているのではないか?と私は思っています。
『鍼灸治療は、西洋医学とは違う角度から人体を診る、もう一つの医学なのです』



