トミー:冬に暖房で調子が悪くなるなんて聞かないのに、夏に冷房で調子悪くなる人は多いですね。
SO院長:確かにそうですね。トミーちゃん、面白いことに気付きましたね。
自宅では、そこまで暖房しないですが、オフィスビルなど公共の建物の中で暖房が強すぎてってことはあります。しかし、それで体調を崩すケースは少ないですものね。
トミー:でも冷房だと、少し冷房が効き過ぎた部屋にいたために、夏風邪を引いたとか、よくあります🤔
SO院長:自然界から生体が影響を受ける外邪は6つ「風邪・寒邪・湿邪・燥邪・暑邪・熱邪」あります。その中で、“寒邪”は、“風邪”と合わさり、外感病の原因に最もなりやすい邪気だからではないでしょうか?
“熱邪”は、逆に外感病として単独で発症するケースは少なく、内因要素(体内の状態)と合わさって初めて病気となる場合が多いです。
でないとしたら、例えば「サウナ」なんて誰も使用できないですよね😅
トミー:そうですね!!でも、熱中症などは、“熱邪”が原因じゃないんですか?🧐
SO院長:熱中症は、確かに“熱邪”が引き金になっていますが、中国医学的には、陰虚体質を根本的な原因と診ます。やはり内因要素が大きく関係しています。
なので、体質に問題がない人は、暑い夏でも屋外でスポーツを楽しむことができているのです。
トミー:なるほど!!確かにそうですよね!!
SO院長:もちろん、そのような人でも限度を超えると、さすがに体調を崩しますが・・・。
トミー:SO院長、今日も教えていただき、ありがとうございました!
SO院長:まだ、終わりじゃないですよ💦もう少し詳しく説明します。
暑病の鍼灸治療
記録的な高温、さらに湿度が高い毎日、不快指数も90%を超え、冷房の効いた部屋に閉じこもりがちの人が多くなっています。
その結果、暑い夏に「冷え」が原因で起こる肩こり、寝違い、背中痛、手足のしびれ、関節痛、夏風邪、腹痛、倦怠無力感などの症状で来院される患者さんが増えています。
中国医学では、病気の原因を分析して、
治療(鍼灸治療、漢方薬の処方)をする際には、
必ず自然界の外部環境に合わせて診ます。
高温多湿の夏期の環境下で引き起こる病を「暑病」といいます。
「暑病」は、熱邪、湿邪が原因で起こるので、
治療では、清熱去湿(熱邪湿邪を取り除くことで、身体の内部を冷やし、余分な水分を代謝させる)作用
のある経穴(ツボ)や、漢方生薬で治療するのが基本です。
しかし、現代では夏期でも冷房によって
寒邪が同時に体表に侵入し、
冷えが原因で起こる病気も重なるため、
散寒温裏(身体に侵入した寒邪取り除き、冷えた体内(裏)を暖める)作用のある治療も必要になります。
夏期でも冬期の疾患が重複して存在するため、症状も非常に複雑化し、回復しにくい場合もあります。
暑い夏に有り難い冷房でも、冷えすぎると様々な病気を引き起こします。
中国医学では「未病を防ぐ」という治療観から、病気になる前に体調を整えるための治療(鍼灸治療、漢方薬の処方)を行います。
体調不良や各痛み症状の原因である、熱邪・湿邪・寒邪から、身体の状態を根本的に回復させ、暑さに負けない、さらに冷房に負けない身体を取り戻し、暑い夏を乗り切りましょう。



