トミー:日本で流行ってる「美容鍼」って、
どこの国の発祥ですか?🧐
SO院長:2000年の初頭、アメリカのハリウッドのセレブ達が「Cosmetic Acupuncture」として「美顔鍼」を受け始めていたことから、アメリカが発祥?
という説があります。
「美容鍼」は、非常に細い日本鍼でないと、顔に数十本も刺針するのは難しいという現状があります。
なので、現在のアメリカ美容鍼の写真を見ても全て日本鍼を使ったものです。

トミー:アメリカに日本鍼って有るのですか?
SO院長:私が90年代の終わりにカナダのクリニックで働いていた頃には、中国針の他に、既に日本のセイリン鍼も北米で販売されていました。
また、中国が発祥であるという説もありますが、確かに顔全体に鍼を打つ技術は、中国の「面癱(顔面神経麻痺)」鍼治療の応用なのですが、美容のために太い中国針で数十本も刺針するとなると、内出血や痛みを伴う頻度も高いため、考えにくいです。
※ 面癱治療
そもそも、個人医院がない中国で、公的病院の針灸科での保険診療という医療制度の中では、美容のみの治療は不可能です。
トミー:そうなんですね、ネットで
「「美容鍼」のルーツは中国3000年」とか見たのですが・・・。
SO院長:美容のために中国医学治療(鍼灸・漢方薬)を用いるのは、もちろん中国医学の発祥の地である中国がルーツです。
しかし、現在の日本で行われている顔全体に多くの鍼を打つ刺針法である「美容鍼」は、中国発祥ではないと思います。
トミー:それでは、結局「美容鍼」って、アメリカと日本のどちらが発祥なんですか?🤔
SO院長:私は、アメリカがスタートで、日本で本格的に発展したと思っています。
2002年に私の師匠である李世珍老師が、日本に講演のため来日した際に、私は通訳として同行していたのですが、その時に東京会場に来られていた北川毅先生が、美容鍼の話をしてくれました。確か北川先生の奥様がエステ関係の方で、鍼灸と美容を結びつけられた経緯を聞いた覚えがあります。
トミー:そうなんですね!
ということは、やっぱり日本で体系化したってことですね!!
北川先生の「美容鍼」の本も、
登美ヶ丘治療院にもありますね。👍
SO院長:その頃は、美容鍼専門院なんて、本当に少なかったですが、この20年間で大きく発展し、特にこの10年間で、急激に増えました。
トミー:もう、美容鍼専門院よりも本格的な鍼灸治療院の方が少ないぐらいではないですか?💦
SO院長:私的には、それは本当に悲しいことです・・・。
ですが、どんな形でも、多くの人に鍼灸治療の存在を知ってもらえるのは良いことだとも思っています。
もう少し、美容と中国医学治療(鍼灸・漢方薬)について説明しますね。
「中国医学美容」
中国では1980年代頃から「中医美容(中国医学を用いた美容治療)」の関心が高まり「中医美容学」として、学術的にも臨床的にも研究が始まりました。
ですが、そのほとんどが、漢方薬や薬膳食事療法でした。
中国医学では、顔を「五臓の鏡」、肌は「内臓の鏡」と捉え、内臓機能を整えるため、全身の治療を行うことで、体質や体調が改善し、結果的に「美容効果」が得られるという考え方です。
また、もっと昔の中国の古代医学書にも顔面部に対する治療の記述がありますが、「肝斑」「ニキビ」「イボ」といった症状を改善する目的で、美容というよりも治療的要素が強い内容です。
中国医学に基づく「中医美容」は、顔面部だけの局所的な改善でなく、
全身の「気・血」の巡りを整え、内臓機能の向上と自然治癒力を高めることで、内側から肌のトラブルの根本的な改善を目指します。
中国医学治療(鍼灸・漢方薬)には、「標治(ひょうち)」と「本治(ほんち)」という、治療の優先順位と目的を定めた基本的な考え方があります。
「標治」とは、表面に見えている主症状や不快な症状を抑える治療(対症療法)です。
「本治」とは、病気の根本原因や体質、気血水の乱れ、内臓機能低下などを改善する治療(根本療法)です。
「美容鍼」を例にすると、肌の乱れやトラブル(たるみ、シワ、シミ、クマ、ニキビ)の治療で、直接顔面部に鍼治療をするのが「標治」となり、
肌のトラブルの根本原因を身体全体から中国医学的に診断し、根本的に体質改善治療するのが「本治」となります。
「美容鍼」の効果について、(筋肉層や真皮へダイレクトに刺激を与え、血流・リンパの流れの改善、コラーゲン・エラスチンの生成を促進、小顔や肌の引き締め、リフトアップ効果が期待できる)などという内容は、よく見かけますが、
このような表面的で局部的な「標治」の美顔鍼だけも効果はあるのですが、
本来は、脈診や舌診などで体質を中国医学で診断し、一人一人の肌の悩みや症状の根本原因に合わせて、最適な経穴(ツボ)に鍼治療する「本治」を併せて行うことで、さらに効果的に、本来の美しさを内側から最大限引き出すことができるのです。
このように「標治」と「本治」を併せて行う(標本同治)中医美容鍼灸治療こそが、本物の理想的な「美容鍼」なのです。
「中国医学は、古くて最も新しい医学なのです」



