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日本では、(穀物、野菜、肉類、魚介類、果実、砂糖類)などの食料品、エネルギー資源、その他、医薬品、半導体、通信機、衣類など、多くのものを輸入に依存しています(※最も多い輸入相手国第1位は中国です)。
日本で製薬する漢方薬の原料である生薬(薬効をもつ植物の根や茎、葉、花、果実、樹皮などを加工したもの)も、中国からの輸入が8割を超えています。 日本漢方生薬製剤協会(日漢協)によると、2020年度時点で83%が中国産の生薬です。
日本での漢方薬の需要は10年前に比べて約1.5倍と増える中、企業や農家さんが原材料の国産化に取り組んでいますが、植物が「薬用成分」を蓄えるには数年単位で時間が必要な上、自然環境の違いから日本で栽培出来ない生薬用植物も多くあるため、非常に難しい現状があります。
このような日本の状況の中、中国から輸入する生薬価格も、中国経済の成長と比例して物価と同じように上昇し続けてきた上に、さらに、現在中国国内でも健康意識の高まりから漢方薬の需要が拡大、また温暖化で異常気象が続き収穫量の減少などの理由で、生薬の価格が高騰しています。
中国安徽省の北西部に位置する亳州市には、床面積120万平方キロメートルもある中国最大規模の漢方薬卸市場があり、例えばその市場で、漢方生薬原料の「牡丹皮」が、例年であれば1kg20~40元(約500~1000円)であったのに、ここ数年で3倍の価格まで上昇し、現在1kg 120元(約3000円)と異常事態です。
既に、日本の漢方薬製薬会社にも大きな影響が出始め、中国産生薬の価格高騰や不足から、中国から生薬を輸入できないため、原料不足で漢方製剤の生産休止になっている漢方薬が多くで始めています。
日本でいろいろな漢方薬を必要とする患者さんにとっては、大きな問題です。 しかし、現状では中国からの輸入が途絶えると他に輸入先がなく、原材料の不足から起こっている漢方薬生産休止の状態は、まだしばらく続きそうです・・・。
※中国における中薬(漢方薬)の市場規模は、中成薬(漢方製剤)、生薬を合わせて2019年時点で約10.2兆円(日本の漢方の市場規模は1,600億円ほど)です。
投稿者:tcm-editor
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